シュプスタ

iCloudと利便性、その責任について考える。

先日の発表にもあったように、iCloudのユーザーは1億人といわれ、筆者も当然その中に含まれている。

iCloudは非常に便利なサービスなので、日々その恩恵を受けているユーザーも多いと思う。

筆者は以前、このiCloudのデーターセンターが「太陽光を存分に活用して運営される」という話を聞いていた。

そのため、環境面で安全・安心だという事実に喜んだことを覚えている。

ところが、Cult of Macの伝える情報によると、環境保護団体のグリンピースがAppleのiCloudについて批判をしているらしい。

なんでも「iCloudのデーターセンターで使れるエネルギーの60%以上は、安い石炭によるものだ」というのだ。

もし、この「化石燃料を使い続ける」という情報が本当ならば、永続が不可能なシステムということになる。

つまり、iCloudを使い続ければ続けるほど環境が悪化し、人が住めない地球が出来上がってしまうというわけだ。

どんなに便利なシステムでも、それが永続不可能であれば価値はなく、間違った方向ならば改めなければならない。

企業は何十年、何百年先のことを考えて物を作り、システムを考えていく必要がある。

また、そのことについて、システムを使うユーザー側が「知らぬふり」では一向に改善されることはない。

永続可能な社会を作るためには、それを良くするためのアイデアを一緒に考える。

ユーザーも共に検討して、意見を言う。

そんな意識が大事だ、と筆者は思う。

偏りなく、明るい方面を強調する

さて、一応書いておくと、このグリーンピースは、長年Appleを目の敵にして、様々な主張をし続けているようだ。

「火のないところに煙は立たぬ」とはいうものの、彼らの主張の公平性については怪しいものがある。

社会の監視をしようと考えているのかもしれないが、攻撃的なニュースを目にするたびに、そこに深い智慧が働いているとは考えにくい。

言ってしまえば、主張の一つ一つが暗く、偏っているのである。

筆者は今回の件でいえば、むしろAppleの太陽光システムを高く評価してあげるべきだと思う。

以前、この団体の主張するICTの環境保全ランキングでは、

「Appleは、同市場の他社をリードするような、取り組みのあとはまったく見られない」

という旨の主張をしていた。

しかし、Appleもその頃には太陽光システムの構築に取り掛かっていたのである。

形だけの取り組みをする企業も多い中、業界最大手が自然エネルギーシステム構築に手をかけた。

そのことを評価せずして、一体何を評価するというのだろう。

批判するのは自由かつ簡単である。

しかし、努力していることを認めなければ、公平な主張とはいえない。

目先のことだけでは解決しない。

長々と続くが、当サイトで何度か取り上げたように、地球環境の保護は大事なことである。

しかし、単に「地球が危ないから」とか、「人間が住めなくなるから」といった【目の前に現れているものだけ】を信じて行動していても、本当の解決にはつながらないと思う。

なぜなら、暗いところに解決策はやってこないからである。

それにもかかわらず、よくある環境保護団体には、悲壮感だけが漂っているように感じる。

目先の視点で暗く考えながら「地球を救え」と主張しても、第一にその人が救われていないし、問題も多い。

暗い気持ちではなく、我々の内に宿っている“良心”が「正しいことを正しい」と主張していく。

そんな良き信念と明るさが必要だと感じた。

良心に忠実な行動であれば、危機管理は必要でも、悲壮感は必要ない。

むろん、攻撃的な姿勢も必要ない。

地球環境の問題を簡単に言えば、

「汚れたものを綺麗に拭く。」

「散らかっているものを片付ける。」

「飯を食べたら皿を洗う。」
 
そんな“当たり前”の類である。

当たり前を当たり前に、人生を楽しむのと同じように、「明朗快活な取り組み」が必要だと筆者は考える。

もちろん、仮に今回の石炭の件が事実なら、コストがかかってもクリーンなエネルギーを使うべきだとは思う。

そして、ユーザーはそれに見合った価格を支払って使う必要がある。

企業がやらないなら、自然エネルギーへの協力など、個人としての努力も必要だろう。

どんなにコストが高くついたとしても、未来世代のことを考えれば安いものなのである。

今回の件が少しでも、そんな流れにつながれば嬉しい。

ただ、繰り返しになるが、太陽エネルギーについてはしっかりと評価すべきである。

汚れたエネルギーだけを主張するのではなく、評価すべきものを認めた上で、「さらに積極的な推進を」と願うのが誠意ある姿勢といえる。

今回の話を目にして、そんなことをつらつらと考えた。

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