3月、暦の上では春がやってきましたが、まだまだ寒いですね。寒いながらも花粉が飛んできて、花粉症の人にはつらい季節かもしれません。

それに加えて中国からはPM2.5が飛んできていますから、外はなんだか空気が汚れているような感じがしてしまいます。

さらには、ウクライナ問題でキナ臭い動きが沢山起こってきていますし、ちょっと見渡せば良くないニュースは山ほどあります。

一体、この世界のどこに神がいるやら、仏がいるやら。

よく考える人間や、まじめに生きる人間ほど不安で一杯になってしまうのが、現代の世の中ではないでしょうか。


そうなんです。

目に見える世界だけを信じているとどうにも住みにくい世の中で、なんとも救われない気持ちになってしまうのです。

目に見える世界の悪現象が真実で、私たちの本質であったならとても救われない。それは現代だけでなく、古代から変わらぬ事実なのです。

それでは、はたして人間は救われない存在なのでしょうか。

戦争や飢餓、闘争や問題だらけの世界に生きる人間が本当の人間なのでしょうか。

否、人間の本質は、そんなつまらないものではないのです。内にとてつもなく素晴らしいものを宿していて、表現すればするほど出て来る。既にたくさんの恵みが与えられていて、感謝すべきことに満ち溢れている。

われわれはそういう世界に生きています。

まだそのことを知らない人、教わっても信じられない人、疑っている人、そんな人に見る目を少しずつ変えていただき、今までと違うスイッチをぜひ入れてみて欲しいのです。

感謝は恩恵の流れに対してスイッチを捻る事である。
吾々は電燈の光を得ようと思えば先ずスイッチをひねる事が必要である。先ず吾々みずから或る力を与えるのである。すると光が与えられるのである。太陽は照っていても、その光を受けようと思えば先ず自分が眼を開かなければならぬ。眼を開くと云う動作を与える事によってのみ太陽の光は与えられるのである。そのように吾らはすべての恩恵を与えられているのであるが、それは先ず自分が恩恵に向って感謝することによってのみ、その恩恵がわがものになるのである。感謝すると云うことはスイッチを捻る事に当る。
(『新版光明法語 道の巻』P.55より)