以前からずっと気になっているWiFiがある。

docomoの「Xi(クロッシィ)」だ。

ご存知docomoのXi(クロッシィ)は、高速通信LTE(Long Term Evolution)を採用し、docomoのFOMAエリアでも使用が可能という「かなり優秀に見えるWiFi」である。

iPod touch[iPhone]やiPadのWiFiを探しているサイトなら、一度は検討しておくべきところだと思う。

ということで、今回はdocomoのXi(クロッシィ)について、筆者の思うところを書いておこう。

Xi(クロッシィ)とは

Xi(クロッシィ)の由来は、docomoのサイトに下記の通りかかれている。

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「X」は「人、物、情報のつながり」や「無限の可能性」を意味し、「i」は「イノベーション」や「私」を意味しており、さまざまな人、物、情報が有機的につながり、新たなイノベーションを引き起こしていくことを表現しております。
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そんな無限の可能性と新たなイノベーションを引き起こそうという「docomoのXi(クロッシィ)」

壮大なイメージは素晴らしいが、一体docomoの「Xi(クロッシィ)」とはどの程度のものだろうか。

以下、docomoのXi(クロッシィ)をエリア・速度・料金の3つの面から考えてみたい。

1.docomo「Xi(クロッシィ)」のエリア面について

まず、docomo回線を選ぶ1番のメリットは、エリアが広いということである。

なんといってもdocomoはNTTである。日本一の通信網を持っている。

つまり、群を抜いてエリアが広いのだ。

大げさにいえば、日本中がdocomo圏内というくらいのものである。

WiFiにとって、この「エリアの広さ」はかなり重要だ。

たとえ、どんなにWiFiの速度が速くても、エリアが繋がらなければ意味がない。

つまり、エリアが広いというだけで、WiFiを使う者にとって大きなメリットになるわけである。

しかし、このdocomoエリアが広いのは、現時点であくまでもFOMA回線の話だ。

高速で通信できるXi(クロッシィ)のエリアはまだまだ狭い。

Xi(クロッシィ)のエリアは今後、全国に広がるFOMAエリアを引き継ぎながらXiエリアを拡大していくとのことである。

※Xi(クロッシィ)エリア圏外では、FOMAエリア(通信速度が遅い)を使うことになる。

2.docomo「Xi(クロッシィ)」の速度面について

気になる速度は、受信時最大37.5Mbps、送信時最大12.5Mbpsの高速データ通信である。

Xi(クロッシィ)エリア内一部の屋内施設では受信時最大75Mbps、送信時最大25Mbpsとのことだ。

したがって、Xi(クロッシィ)の一部のエリアでは、WiMAXよりも高速な通信が可能だ。

下り最大75Mbpsという速度は、光回線に近いスピードである。

これだけ聞くと、かなり魅力的な数値といえる。

しかし、この速度は、あくまでもdocomo「Xi(クロッシィ)」エリアの中の「一部の屋内施設」での話である。

Xi(クロッシィ)エリアであっても、ほとんどは「受信時最大37.5Mbps、送信時最大12.5Mbps」であることに注意したい。

つまり、速度面で75Mbpsが強調されすぎている感があるが、現時点ではWiMAXと同程度以下の通信速度がほとんどだということである。

もちろん、docomoの「Xi(クロッシィ)」は携帯電話の3G通信回線のような低速ではないので、遅い3G回線の携帯パケット代を支払うくらいなら「docomoのXi(クロッシィ)データ通信」を契約した方がお得かもしれない。

3.docomo「Xi(クロッシィ)」の料金面について

最後に料金面について考えてみたい。

参考までに現在のキャンペーン料金を掲載しよう。

Xi(クロッシィ)データプランにねん2 上限額: 4,935円+525円(プロバイダ使用料)=5460円

2年契約でこの料金、パッとみただけで王様価格だと感じる。
(WiMAXなら一年契約でも4000円を切る。)

Xi(クロッシィ)の「下り75Mbpsエリア」がもっと広いならまだしも、現時点のエリアで、しかもキャンペーンをやりながらのこの料金である。

試しに「2年契約なしの場合のXi(クロッシィ)データプラン上限額」は、

6,405円+525円(プロバイダ使用料)=6930円

と、さらに王様価格である。

しかも、当月の利用データ量が7GBを超えた場合、当月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsになってしまう。

このご時世、通信を制限されるのも仕方ないのかもしれないが、なかなか厳しいプランといえる。

さらに書いてあるのを読むと、

7GB超~:オプションサービスお申込みの場合、2GBごとに2,625円加算

さらに加算されていくわけだ。

ここまでくると、言葉も出ない。

検討する気すらなくしてしまうのは、筆者だけだろうか。

4.総括

以上、エリア・速度・料金の3つの視点から考察してみた。

総合的に考えて魅力的な気がしていたのだが、結論としては料金との釣り合いが取れていない。

たとえば、もう少しXi(クロッシィ)エリアが広がり、WiMAXPocketWiFiとの差が広がっているならばこの価格でも納得できる。(それでも高い・・・)

しかし、今のところは、どう考えてもWiMAXやPocketWiFIに軍配が上がる。

むしろ、docomoに普及させる気がないようにすら感じてしまう。

イノベーションを引き起こす前に考えることがあるのではないだろうかと思う。

ということで、ずっと気になってはいたもののあまりおすすめできないのが正直なところである。