皆さん、こんばんは。

本日もありがとうございます。

今日のテーマは「自分の評判が実態よりも高いときの心構えについて」です。

昼夜となく勤むべし
「声聞情に過ぐるは、君子之れを恥づ」と。是れ実行実徳なくして虚声虚聞ある者は、或は一人を惑はし、一時を眩ますべけれども、終に天下後世の公論を免かれざることなれば、君子は行を積み徳を累ぬることを、源泉の如くに昼夜となく勤むべしとなり。
安政三年五月二十三日「講孟箚記」

【訳】「評判が実態より高ければ、立派な心ある人はこれを恥じる」という。実際の立派な行動や人徳がないのに、それ以上の名声や評判がある者は、一人の人間を惑わしたり、一時的にごまかすことはできよう。しかし、結局は世間や後の世の人々の公平な批判を逃れることはできない。とすれば、立派な心ある人は、源泉から絶えず流れでる水のように、一瞬たりとも怠らず、行いを正しくし、人としての徳を積み重ねる努力をしなければならない、という意味である。

(『吉田松陰一日一言』P.43より)

周りからの評判が良いというのは素晴らしいことだと思います。

自分の評価というものは「他人からどれだけ喜ばれているか」といってもよいからです。

良い評価がもらえるというのは、それだけ多くの人のために生きている証拠といえます。

しかし、それが実態に伴わない評価だとしたら、どうでしょう。

評判だけが先走り、自分の実態とかけ離れている評価だったら素直に喜べるでしょうか。

本日紹介した内容は、そんなときの心構えが大事という話です。

つまり、周りからの良い評価を得るとともに、自分の内なる評価に耳を傾ける必要があるのです。

自分の奥底からくる良き評価は、自分だけが感じています。

その声は周りの評価がどうであれ、嘘をつきません。

「どれだけ人のためになっているか。」

「どれだけ人を愛しているか。」

声の主は常に正しい評価で厳格な判断をしてくれています。

その声を無視して甘い評価をつけていけば、だんだんと聞こえなくなってくるものです。

これは周りの評価が低い場合も同じことがいえます。

「もっとできるはずだ。自分はこんなところで終わる人間ではない。」

そんな内なる理想に耳を傾け、自分を素直に磨いていく人は必ず成長し、人格が向上する。

絶えず心がけておきたいところです。